4 天童・ヒカリⅡ
彼女の名前は、天道・ヒカリ
一昨日(おととい)からギャルが新人として入ってきた。といっても物覚えがよく既に業務スキルでは俺を抜いている。いやほんとに。
ギャルといものは結構いかつかったりもっと怖いものを想像していたのだが、この天道という女性はラノベからぶっこ抜かれてきたかのように優しい。ここまで優しいとどうやって現実世界の日常をくりぬけているのか気になる。
実際ほかのギャルとかだともっと怖いし狡猾である。ここらへんだと駅前の裏繁華街にいくと普通にいらっしゃるし。ほら、ていうか、、、
「ちょっと離してよ!」
考えているそばからヒカリさんがコンビニの前で男性二人に絡まれている。もちろん俺は見て見ぬふりをした。
という選択が取れればどれだけ気が楽だったか。
あくまでこれは自分のため。これを無視すれば絶対に後味がわるい。必ず夜お布団で後悔する。
何より今後の彼女との業務に支障をきたす。主に俺の罪悪感で。
俺は自動ドアから出て三人に近づく。
「すみません、仕事中ですのでお引き取りを」
「あぁああ!? なんだてめぇ!!」
うっそ、こんなに柄悪いの? 見た目普通のお兄ちゃんなのに。
「舐めてんのかあぁ!?」
お兄ちゃんBの方も加勢してメンチ切ってくる。
「業務の邪魔だから帰ってよ!」
叫ぶ天童さん。
嗚呼、もっと簡単に収まると思っていたのに…
しかし天童さんが男二人に何かを耳打ちすると、二人は去っていった。
「え、えぇ…」
「すみません、イツハさん……お手数を」
「ええ……何を言ったのですか?」
すんなり帰ってもらう魔法の言葉があるのならぜひ俺も習得したい、ええあんな怖い思いをするのを回避できるのなら靴でも舐めますともぇえ。
「うふふ、ヒミツっ……」
「……うっす」
「くそが、あいつら次会ったら絶対にぶっ飛ばす」ボソ
え?