1一の型・クノイチ
「あぁ、今日も暇潰すか」
「...」
「ぎゃあああっ!!」
ななななんで人がいるんだ勝手に人ん家にっ
そう、俺の日常はもう、戻っては来ないのだった
「それで? オタクどなた」
「...」
ぴっちりとしたタイトな服に口まで隠すマスク、服に強調されたちょうどいい凹凸、クノイチ。
意味が分からん、なんでそんな奴が家にいるんだ。勝手に。
そう、俺に日常はとある奴と肩をぶつかってから壊れたのである。あぁ肩じゃなくて人生の方。肩もちょっと壊れたけど...別にいい。
そのとある奴はだれか分からない、目出し帽に深緑のコートを着ていたとしか。
「...」
とりあえず茶を入れてちゃぶ台に置く。優雅に忍者とシバきタイムと洒落込む。
シュッーーー
と言っている側からお茶がなくなる。
「オイオイ、まじもんの忍術かよ...」
特に何か見えたわけでもないが、茶の中身がなくなっていた。
いや絶対あついだろ、淹れたてだぞ。(もし飲んだのだとしたらだけど...)
ッシューーーッ
そして消えるクノイチ。
「なんか言えよ」
そうして俺の日常が今日も始まる。