紅蓮のゆうび’s Diary

役に立つ、読みやすい、ように努めるただの日記。

21ヴァリスⅡ

 

 

 

 

自分が今生きている目的を決して忘れてはならない。それを忘れてしまわないように、全力を行動で尽くしていく。

 

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「お名前...何でしたっけ」

 

 

ヴァリスだとも、マイロード」

 

 

イラスト

 

 

病院を退院した瞬間に吸血鬼と出会した。

 

 

なんだマイロードって。

 

 

「助けにいけなくて悪かったね、イツハ君」

 

 

「何のことでしょうか」

 

 

「襲われたんだろう?」

 

 

「はい。え、みていたんですか?」

 

 

俺が殺人鬼にボコられていた現場を。

 

 

「いいや。その状態を見ればわかるよ。誰かに傷つけられたのだろう?」

 

 

「まぁ...そうですね。危ないところでした」

 

 

「次は駆けつけるよ」

 

 

いや、別に駆けつけてもらうような間柄じゃないけど。

 

 

「は、はぁ」

 

 

「ん? その顔は何か引っかかっているのかい?」

 

 

「いや、なんかそこまでしてもらう真柄でもないからなぁ、と思いまして」

 

 

「なにをいうんだ、僕は君から血を分けてもらった仲だよ? それは十分に、尽くすに値する」

 

 

「そんなもんですかね」

 

 

「そうだとも」

 

 

「...血ぃ、吸います?

 

 

「いいのかい? ...と言いたいところだが、君の体調が万全になってからいただくよう。ありがとう」

 

 

「普通に、いい人なのかな?」

 

 

「それは普通、口に出さない事なのでは?」

 

 

口に出ていたのか。

 

 

「ちなみにお見舞いには来てくれなかったんですね?」

 

 

あからさまに話題を変える。

 

 

「十字が怖いからね」

 

 

「十字?」

 

 

「そう、病院には赤い十字架が多いからね。苦手なんだ。十字架」

 

 

「あぁ、あの迷信はガチなんですね」

 

 

「うん、ガチだともガチ」

 

 

なんとまぁ現代風な。

 

 

 

 

「そういえばマント預かっているので、今度取りに来てくださいよ」

 

 

「ん? ありがとう、では近々そうさせてもらうよ」

 

 

「ええ...」

 

 

言い終えた後の彼は同性とは思えないほど色っぽい顔をしていた。

 

 

後から聞いた話だが、ニンニクは別に嫌いじゃないとのこと。

 

 

 

なんともよくわからない性質のようだ。

 

 

 

てか昼に活動できんのか?

 

 

 

無理を言ったのは俺だけど。まさか本当に3日で退院できるとは思わなかったぜ...

 

 

 

あれ、猫にもらった紙がねぇ。病院に置いてきたか?