紅蓮のゆうび’s Diary

役に立つ、読みやすい、ように努めるただの日記。

15電車令嬢

 

 

誰もいない列車


一人乗客が入ってくる


女だ、嫌な予感がする


目の前に座る


こんなに空いているのにわざわざ目の前に


生足が見えるショートとスカート

 

肩丸出しのチューブとバッククロス

 

春にしてはただの暑がりさんの登場だ

 

 

 

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「ねぇお兄さん」


いやいや怖いから


「ねぇお兄さんってば!」


「ふあぁ!!」


視界に快活系美人が飛び込んでくる


「無視しないでよ」


「あぁ、俺に言っていたのか...」


「常連じゃないわね、何しにこの列車に?」

 

電車に常連もクソもあんのかよ


「神社」


どこの?と意味深に怪訝な顔


「どうせ言っても分からない」


「そんなわけないわ。私はここ一帯の地域に詳しいのよ? 言ってみてよ」


白神社


「どこ...そこ?」

 

しらんのかーーい


「言っただろ。わからないって」

 

それよりくっつくな

 

「えぇん、うそ、そんな神社ここらには無いハズ」


次の駅に着く

乗客が何人か入ってくる


「私もついていっていい?」


「物騒だな、しょたいめんなのに」


「田舎だよ〜? そんなの気にしないよ」

 

言うほど田舎か?


「俺は気にする」


「え〜、いいじゃんお兄さん」


そう言ってベタついてくる

 

彼女の生肌肩がおれの肩に当たる

 

良き香りがする

 

そして


怖い怖いよ

 

初対面で快活系女子は都市伝説だ。と言うことは彼女は神話系の何かかあるいは詐欺的な何かの可能性が高い。

 

そしておれは現実的に考えてもちろん後者を想定する。なぜならここは現実だからである。

 

 

ということで。

 

 

 

「ねぇお姉さん」

 

「なに、そんな怖い顔して?」

 

「電車から伸びる手、って言う話し知っている?」

 

「なにそれー!怖い話?」

 

「いいや、全然怖くない」

 

「えー」

 

これは俺が電車で体験した話

 

その日俺は友達と飲んでた。

 

その日俺は電車で飲みに行っていた為帰りも電車に乗った。

 

夜も遅いため人は少なかった。

 

でも何かおかしい...


俺は椅子に座り最寄りに着くのを待っていた。

 

その時だ。。。

 

電車の窓を見ると白い手がうっすらと見えた。

 

「きゃぁーーっ」

 

おいくっつくな

 

そう、ちょうどお前くらいの白い手だった

 

「いやいやん!やめてよそういうこと言うのぉ!」

 

その病的にまで白い手は俺のことを掴もうとして、

 

「その手は次の瞬きのタイミングで消えていた」

 

「ホ...」

 

俺は何だ見間違いかと胸を撫で下ろし、額にうっすらと汗を浮かべた

 

そして、その汗を拭おうとして右手をあげようとしたとき、右肩に違和感を感じた

 

「なに...なにぃ!?」

 

そう右を向いたとき

 

俺の肩に白い手が乗っていたんだ

 

わあぁああああああ!!!

 

俺は自分で言った話に怖くなって駅を降りた。彼女は俺の叫びに驚いて腰を抜かしている

 

はぁ、はぁ、はぁ...

 

あーーーーー

 

なんで俺あんな話したんだろうか...

 

 

 

 

ロールプレイングっていうのは

 

実際に起こりそうなことを

 

演じること

 

それが妄想であるのならば

 

ロールプレイングではない